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クラシック (Classical Music)

【その他音楽全般】 ポピュラー音楽の対立概念として存在する、西洋の伝統的な芸術音楽の総称。独奏による器楽曲や少人数の室内楽曲から、大編成のオーケストラによる管弦楽曲や、オペラのような壮大な総合芸術まで様々な形式が存在する。また、教会などでの使用を想定した宗教音楽から、ダンスのために作られたワルツをはじめとする舞踏曲まで、作られた目的も様々で、ルネサンス、バロックからロマン派、近代音楽まで、楽曲の形式やリズム、使用されている音楽技法もそれぞれ異なる膨大な音楽をひと言で括る便利な用語である。

HR/HMを含むポピュラー音楽の世界においては、ピアノやヴァイオリンといったクラシックでよく使用されている楽器が使われているとか、クラシック曲のメロディを引用しているとか、オーケストラを起用しているなど、そういった表面的な事実をもって「クラシカル」などと表現することが多い。しかし、ポピュラー音楽と呼ばれる楽曲も、そこで使用されている作曲技法はクラシック音楽の500年以上におよぶ歴史の中から築き上げられてきたものがベースとなっている。

◆バロック音楽
対位法と呼ばれる、複数の旋律が絡み合ってできるポリフォニー形式と、通奏低音と呼ばれる、一種コード譜的なものを使用した即興性の高い演奏が特徴。この時代はまだピアノが発明されていなかったため、鍵盤楽器の主役はオルガンとチェンバロ(ハープシコード)であった。バッハやヴィヴァルディ、ヘンデルなどが有名。

◆ 古典派の音楽
1800年前後30年ほどの音楽様式。バロック期のポリフォニー形式に対し、主旋律に和声的な伴奏をつけるホモフォニー形式による作曲が特徴。主題とその起承転結的な展開によるソナタ形式の完成によって誕生した交響曲が代表的な楽曲形式である。「古典」という響きからもわかるように、「クラシック」とは厳密にはこの時期の音楽を指す、西洋音楽の様式美の完成形といえるスタイルである。ハイドン、モーツァルト、ベートーベンなどが代表的な作曲家。

◆ ロマン派の音楽
ベートーベンの進歩的な作曲に端を発する、古典派に比べ、より自由な表現を聴かせる19世紀中期から後期にかけての音楽。その名の通り、ロマンティックでメロディの美しい楽曲が多い。ロマン派の中でも、シューマン、シューベルト、ブラームス、ヴェルディ、プッチーニ、ビゼーといった作曲家は「前期ロマン派」、ワーグナー、マーラー、チャイコフスキー、ドヴォルザークなどは「後期ロマン派」と呼ばれる。

◆ 印象派の音楽
全体の焦点をぼやけさせ、漠然とした印象のみを伝える印象主義の絵画の影響を受け、全体の構成を合理的に規定しない、それまでのクラシック音楽とは異なる表現の流れ。東洋的な音階や、異なる二つの調性が同居する多調性を使用した色彩的な作曲が特徴。ドビュッシーやラヴェルなどが代表的な作曲家

◆ 近代音楽
印象派の音楽を起点とし、第一次世界大戦ごろまでの音楽を総称してこう呼ぶ。民族音楽的な手法を多用したストラヴィンスキーやバルトーク、シベリウスの音楽、新古典主義と呼ばれる独自の手法によって優れた作品を残したショスタコーヴィチやプロコフィエフの音楽、そして調性を持たない十二音技法による無調音楽を提唱したシェーンベルクやベルクの音楽など、それまでの伝統的なクラシック音楽と、これ以降の実験的な現代音楽の橋渡し的な役割を担った音楽として理解される。


 

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