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ジャズ (Jazz)

【その他音楽全般】 20世紀初頭、アメリカ南部ルイジアナ州ニューオリンズ発祥といわれているポピュラー音楽。4拍子の第2、4拍にアクセントを置くオフ・ビートのリズムと、ブルーノート音階をベースとした即興性の高い演奏を特徴とする。

ジャズは、南北戦争時におけるマーチング・ブラス・バンドの伝統のもと、ラグタイム(ピアノを中心としたアンサンブルで演奏される、シンコペーションに特徴のある音楽)やブルースといった黒人音楽と、クラシックをはじめとするヨーロッパ音楽の影響を受けて誕生。1920年ごろまでのジャズはブラス・バンドによる集団即興演奏を特徴とし、「ニュー・オリンズ・ジャズ」あるいは「ディキシーランド・ジャズ」などと呼ばれていた。

1920年代には、蓄音機の登場による音楽産業の発達もあり、ニューオリンズからシカゴに移ったルイ・アームストロングによって最初のジャズ黄金時代(ジャズ・エイジ)が訪れる。白人主体の「シカゴ・ジャズ」が人気を博し、ニューヨークのハーレムでは多くのジャズ・シーンが形成された。

大恐慌以来の長い不況から景気が回復の兆しを見せた1930年代半ばには、ダンスホールを中心にスウィングが大流行し、印象的なリフレインの繰り返しを特徴とするカンザスシティ・ジャズの流れをくむ、白人によるポップなビッグ・バンドが大成功を収めた。ベニー・グッドマンやトミー・ドーシーの楽団に代表される、このスイング黄金時代によってジャズはアメリカのポピュラー音楽の象徴的存在として、広くアメリカの大衆に受け容れられた。

1940年代になると、NYの「ミントンズ・ハウス」をはじめとするジャズ・クラブのアフター・アワーズに繰り広げたジャム・セッションから、ビバップと呼ばれるスタイルが生まれた。ビバップが音楽的革新性を増していく中で、それまでのダンス音楽としてのジャズに代わる芸術性の高い鑑賞音楽としての「モダン・ジャズ」へと成長していった。

モダン・ジャズは、編曲を重視し、抑制の効いた演奏によるクール・ジャズや、そのクール・ジャズに西海岸らしい明るい洗練を加えて発展したウエスト・コースト・ジャズ、それに対してよりアグレッシヴなイースト・コースト・ジャズ(ハード・バップ/ファンキー・ジャズとも呼ばれる)など、表現の幅を広げることで、その芸術性を高めることに成功。1950年代後期は映画や文学とも結びついて、カルチャーとしてのモダン・ジャズの黄金時代となった。

1960年代に入ると、複雑化したコード進行やリズムの制約から演奏者を解放するための手法として「モード奏法」を採用したモード・ジャズや、逆により自由度の高い即興演奏によって前衛的な表現に挑んだフリー・ジャズなどが登場。より高度で実験的な表現が実践されていたが、既にロックやR&Bが人気を獲得していたこの時期、ジャズはやや「小難しい音楽」になりつつあった。

そしてエレクトリック・ギターやキーボードといった電化楽器の普及を背景に、70年代に入るとロックやソウルの影響を受け、それらの新しい音楽とのクロスオーバーを試みる動きが活発化、「フュージョン」という新しいジャンルの音楽を生み出した。もともとジャズ自体様々な音楽の混合によって生まれた音楽なので、フュージョンをジャズと区別して考えるのは必ずしも妥当ではないが、40年代から60年代にかけての、黄金時代に確立されたモダン・ジャズのスタイル/サウンドにこだわる演奏者(とファン)も多く、実際フュージョンはモダン・ジャズとは異なるマーケットを開拓したため、両者は区別して扱われることが多い。


 

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