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ARMAGEDDON
THREE
81
スリー (2002)

クリストファー・アモット(G)の3枚目となるソロ・プロジェクト作品。メロデスだったデビュー作から、前作では正統派HR/HMに路線を変更していたが、本作ではなんと自らVoも務め、トリオ編成(Bはシャーリー・ダンジェロ、Drはダニエル・アーランドソンというARCH ENEMYの同僚2人)で70年代から80年代初頭くらいにかけてのハード・ロックをイメージさせる音楽をプレイしている。タイトルは3枚目であるということと、本作がトリオで作られていることをかけているのだろう。「その時やりたいことをやる」のがソロ・プロジェクトをやる意義だとしたら、このARMAGEDDONは理想的なソロ・プロジェクトで、こんなスタンスで取り組めるソロ・プロジェクトを持ちたい、と思っているミュージシャンは結構多いのでは。ただ、やっぱりニーズはコアなファンに限られるためか、前作および本作は日本以外ではリリースされていない。クリスのVoは意外と堂に入ったもので、そのちょっとルーズな歌声はこういう隙間のあるハード・ロックには割とフィットしているが、ダニエルのDrはこの音楽に対してちょっと忙しすぎる感も。曲も#4や#6のように比較的メタル度が高い曲の方が魅力的だが、#7や#8のようにシンプルなリフを中心としたオーソドックスなハード・ロック・チューンもなかなか。ただ、昨今のマーケット的にはこの路線を本業にしていくのはキツいかもね。

ARMAGEDDON
EMBRACE THE MYSTERY
82
エンブレイス・ザ・ミステリー (2000)

クリストファー・アモット(G)のソロ・プロジェクト第2弾。前作はメロディック・デス・メタル作品で、ARCH ENEMYとの差別化はさほど明確ではなかったが、本作では普通に歌うヴォーカルをフィーチュアした正統派HR/HM路線の音楽を展開しており、よりソロをやる意味が見えやすい作品となっている。今回Voを務めているのはリカルド・ベンソンなる新人で、特別傑出しているわけではないが、可もなく不可もない、北欧のシンガーとしては無難な歌唱を聴かせている。しばしばイングヴェイ・マルムスティーン的と形容されるクリスだけに、クリーンVoによる正統派路線と聞けば、ネオ・クラシカルな北欧様式美を期待してしまったりもしたのだが、そういった色は必ずしも強くなく、もっとオーソドックスで、曲によってはかなりキャッチーだったりもする。随所でプログレッシヴなエッセンスも感じさせるのは、ベースがディック・ロウグレン、ドラムがダニエル・アーランドソンという強力なリズム隊を擁しているがゆえか。全体的にこれがARCH ENEMYのギタリストのソロ?と疑いたくなってしまうほど爽やかなサウンドながら、微かに滲む北欧ならではの哀愁フレーバーが心地良く、幅広いHR/HMファンが気軽に楽しめる作品だ(それゆえに「物足りない」と感じる人もいるかもしれないが…)。

ARMAGEDDON
CROSSING THE RUBICON
83
クロッシング・ザ・ルビコン (1997)

ARCH ENEMYの弟ギタリスト、クリストファー・アモット(G)のソロ・プロジェクトのファースト・アルバム。クリス以外のメンバーは、Bにマーティン・ベンソン、Drにピーター・ウィルドアーというARCH ENEMYの同僚に、同じスウェーデンのデス・メタル・バンド、IN THY DREAMSのヨナス・ナイレン(Vo)。音楽的にはARCH ENEMYと同じくメロディック・デス・メタルにカテゴライズされるサウンドだが、よりシャープで、Voを除けばほぼ正統的なヘヴィ・メタルと呼んでも差し支えないほどブルータル度は低い。穿った見方をすれば、ARCH ENEMYで使うにはヘヴィさが足りなかったマテリアルをこのプロジェクトで放出したのではないか、という感も無きにしも非ずだが、そのこと自体はヘヴィさよりメロディを重視する身としてはノープロブレム。ただ、やはりARCH ENEMYに比べると楽曲はやや小粒かな…。とはいえ#3、#4あたりはキラーだし、リコーダーとアコギが織りなす牧歌的なインスト#5も印象的な仕上がりで、ファンの期待を裏切るような作品ではない。聴き所はやはりクリスのギター・プレイで、元々テクニック面においては定評があったが、本作ではARCH ENEMYでは専らマイケル兄が担当している「泣き」においても非凡な才能を有していることを証明している。

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