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LUCA TURILLI'S RHAPSODY
ASCENDING TO INFINITY
85
アセンディング・トゥ・インフィニティ (2012)

RHAPSODY OF FIREが「FROM CHAOS TO ETERNITY」で15年に渡って展開してきたサーガを完結させたことを機に分裂、ルカ・トゥリッリ(G)はパトリス・ガース(B)、ドミニク・ルアキン(G)と共にLUCA TURILLI'S RHAPSODYの名前のもとに活動することになった。イタリアのTRICK OR TREATのアレッサンドロ・コンティ、そしてANNIHILATORやSYMPHONIAでの活動で知られるアレックス・ランデンバーグ(Dr)をメンバーに迎えて(ただし本作でDrをプレイしているのはROFのアレックス・ホルツヴァース)クリエイトしたサウンドは、ルカ自身が「よりオーケストラの色合いが強く、よりシネマティックになっている」と形容する通り、後期のROFに比べてメタリックなアグレッションよりシンフォニックな感触を強めたサウンドになっている。三部構成の16分超の大作#9では300トラックに及ぶオーケストラ・パートを駆使しているという事実が、本作のシネマティックなスケール感を象徴していると言えるだろう。ファンタジーにとどまらず、SFや聖書、古代神話などバラエティに富んだ歌詞モチーフを選んだことが功を奏したのか、キメ曲には欠けるもののアルバムを通しての起伏、メリハリも申し分なく、ルカの才能をあらためて証明する優れた仕上がりである。疾走パートも多く、パワー・メタリックな高揚感も充分ではあるが、音作りはややヘヴィさに欠けるきらいがあり、アレッサンドロのヴォーカルも音域・技術は申し分ないものの、ちょっと細く感じられるため、時折パワー不足に感じられるのはもったいない。

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