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STEEL ATTACK
PREDATOR OF THE EMPIRE
77
プレデター・オブ・ザ・エンパイア (2003)

輸入盤市場における前作の好評を受け、日本盤リリースが実現した3作目。メンバー・チェンジがあり、これまでVoとBを担当していたスティーヴ・スティールが、Drとして参加していた母国スウェーデンのデスラッシュ・バンド、CARNAL FORGEの活動に注力するために脱退。代わって専任シンガーとしてディック・ジョンソンを、ベーシストにはパトリック・スペスを迎えている。さらにDrも前2作で叩いていたアンドレアス・デ・ヴェラからマーク・スタークに交替。さらに海外でのレーベルを「AFM」からスペインの「Arise」に移籍と、かなり心機一転の一作で、ロゴデザインが変わっているのも意気込みの表れだろう。しかし、残念ながらその意気込みは空回り気味で、音楽性自体は大きく変わっているわけではないのだが、全体的に疾走感が薄れたぶん、変に凝っていたり、妙に落ち着いてしまったりという印象で、不完全燃焼感がある。マーク・ボールズとクラウス・マイネを足して3で割ったような新Voは、前任者よりテクニカルだし声域も広いが、この無骨なピュア・メタル・サウンドの中では今一つ魅力的に響かない。所々熱いシーンもあるのだが、それが一曲丸ごと持続しないのがもどかしい。このVoを活かすならもっとKeyなどもふんだんに取り入れて洗練されたサウンドにするべきだと思うが、やはりこのバンドにはもっと剛直なタイプのVoが合っているのでは。

STEEL ATTACK
FALL INTO MADNESS
84
輸入盤のみ (2001)

スウェーデンのメロディック・パワー・メタル・バンドのセカンド・アルバム。基本的な音楽性は変わっていないが、よりパワフルな疾走感を増したことで、当時盛り上がっていたメロディック・パワー・メタル・シーンの一翼を担う存在として一部で注目を集めることに成功した。中でも、モロにGAMMA RAYを思わせるスピード・チューンの#3「Guardians」と#5「Judgment Day」が 人気を集めたが、個人的には明快なその2曲より(むろんその2曲は気持ちいいのだが)、言われてみれば北欧出身ならではと思える哀愁が滲むその他の曲の中にこのバンドの魅力がある気がする。この坂本英三ちっくなVoの声質も、適度な弱さがかえってマイナー調のメロディの魅力を引きたてている。オープニングを飾るタイトル曲は、まさにその典型というべき名曲だ。演奏力や音質などの基本スペックも確実に向上しているが、やはり全体的に疾走感を増したことがここまで気持ちのいいピュア・メタル・アルバムに仕上がった勝因じゃないかな。全体的には未だ充分にB級だが、個人的にはかなりハマったアルバム。


STEEL ATTACK
WHERE MANKIND FAILS
72
輸入盤のみ (1999)

最初に目を引いたのはCDショップで目にしたジャケットだった。極めてチープながら、見る人が見れば一発でどんな音楽なのかわかるアートワーク(今はなき元祖メロスピ・サイトMOONMADNESSのJIN氏が「RHAPSODYのジャケットを小学生が模写したような」という表現していたのには思わず笑ってしまった)。惹かれるまま手に取ってみると、バンド名は「鋼鉄攻撃」。コイツは間違いない、漢の音楽だ。そして内容はまさにイメージ通り、純度100%のピュア・メトゥである。IRON MAIDENやGAMMA RAYあたりを思わせる、ツイン・リードをフィーチュアしたメロディックなパワー・メタルを基本に、MANOWAR的な男らしいエピック・メタルのムードを加味したような、という表現が妥当だろうか。ただし、案の定相当にB級である。楽曲はネタ元が割れまくりな上に未整理で、音質も今一つ。80年代の坂本英三(ANTHEM)を思わせるVoも、お世辞にも強力とは言い難い。しかし、随所にオッと思うようなメロディや展開が登場し、8分に及ぶ#7などもとりあえず聴かせる魅力がある。いわゆる愛すべきB級、というやつだ。EDGUYなどが所属するドイツのAFM所属で、しかも音もかつてのB級ジャーマン・メタルを思わせるのでてっきりドイツのバンドかと思っていたら、実はスウェーデンのバンドでした。

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