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WIZARDS
THE KINGDOM
83
ザ・キングダム (2002)

ビクターの青田買いによって本国より先に日本でデビューしたものの、本人たちの実力不足に加え、活動時期がモロにHR/HMの人気下降期に重なってしまったために、3枚のアルバムを残しフェイドアウトすることになってしまった彼らが、昨今のメロディック・パワー・メタル・ブームに触発されてか、再結成してアルバムを出す、と聞いて「オッ、懐かしいね」と思ってしまった私はやっぱりマニアなのかしら。正直彼らに関してはあまりいいイメージはなく(1stのレビュー参照)「ANGRAの出来損ない」くらいの印象しかなかったのだが、各所のレビューが好評だったため、試しに聴いてみたところ、これが意外なほどの充実ぶり。これなら「ANGRAもどき」くらいに評価を格上げしてもいいかも(褒め言葉に聞こえない?いやいやANGRAの真似事をするのは大変ですよ)。決して疾走感に頼らず、練り上げられた曲構成と絶妙なアレンジで聴き所を作り出していく様は、音楽から離れて普通の仕事をしていたメンバーもいるようだが、4年のブランクを全く感じさせない。否応なしにANGRAを想起させる#2や#6、#8、#10の疾走パートはやっぱり爽快だし、IRON MAIDEN風の#4や#7のカッコよさもかなりのもの。中でも悲壮感あふれる幻想的な#5「Daydreaming」は名曲と言っても過言ではない仕上がり。Voがちゃんと歌えているのもポイント高いですね。正直このバンドを見直しました。

WIZARDS
WIZARDS
66
ウィザーズ (1995)

「91年のVIPER、93年のANGRAに続き、95年、ウィザーズ、デビュー!!」とオビにありますが、うまいこと言いますね。こう言われるとまるで2年おきに現れるブラジルの超新星!ってな感じに聞こえます。すっかりだまされましたよ、当時ティーンエイジャーの僕は…。まあ愚痴はともかく内容ですが、ANGRAのメンバーとも知り合いだというハタチそこそこの学生たちによる、ANGRAタイプのシンフォニックなKeyをフィーチュアしたメロディック・ヘヴィ・メタル。こう書くと冒頭のタタキも嘘じゃないように聞こえますが、ぶっちゃけクオリティがやっぱ学生バンドなわけですよ。いや、学生でこのクオリティなら本当は見事なんですけどね、はるばる地球の裏側に輸出するほどの「商品」かどうかと言われると厳しいわけですよ。Voのハイトーンは結構出ているものの、キレのよくない演奏と、どうにも軽いサウンドが思い切り音楽のスケール感を損なっており、なにより楽曲の詰めの甘さは致命的。せめて疾走感でごまかしてくれればまだ聴けるのだろうが、妙に落ち着いたムードの曲が多いため、退屈感倍増。全体の雰囲気はたしかにANGRAっぽくて悪くないのだが、このレベルでANGRAに続くバンド、というのは明らかに詐欺。まあレコード会社としては第二のANGRAに育つことを期待しての青田買い、ってヤツだったのでしょうがね…。

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